アコースティックギタリスト 渡辺良介 Official Website
MyGuitar紹介①SUGI CRAFT”nougat”

MyGuitar紹介①SUGI CRAFT”nougat”

こんにちは。
始めたばかりのブログなので、最初は自己紹介の意味も含め、現在使用しているアコースティックギター及びクラシックギターについて書いていきます。
なお、「エレクトリックではないという点で、クラシックギターもアコースティックギターの一部である」という見方もありますが、このブログでは区別のしやすさを重視して、
「スチール弦=アコースティックギター(略称:アコギ)」
「ナイロン弦=クラシックギター(略称:クラギ)」
と表記します。また、フォークギターやガットギターという言葉は使いません。

今日はアコギから。



SUGI CRAFT “nougat”

現在のメインギターです。「ヌガー」と読みます(以下ヌガー表記)。
SUGI CRAFTは、富山の個人製作家である杉田健司さんが主宰する工房。杉田さんと、彼のお弟子さん方によって作られました。
2009年製作、2013年購入。

スペックは、
Top えぞ松
Side&Back インディアンローズウッド
Neck マホガニー
Fingerboard エボニー
Bridge エボニー
Scale 645mm
東京ハンドクラフトギターフェス出展モデルということで、トップには通常のジャーマンスプルースではなくえぞ松が使われています。

楽器の特徴。見た目も音も独特

まずはデザイン。

ヘッドやボディのカーブが綺麗で、楽器全体に曲線美があります。
ブリッジも曲線です。
ロゼッタが完全な円形でなく、再高音の21フレット脇で葉の模様をかたどっていて、 こうした細かい工夫も目を引きますね。
ヘッドの突板にはハワイアンコアを使用しています。

“nougat”というのがフランスのお菓子のことだそうで、見た目のコンセプトにこうした可愛らしさを取り入れているのかもしれません。

ヌガー。wikipediaより

次に肝心の音。
一言で表すと、良い意味で「独特」です。
Martinに代表される「これがアコギ!」というものとはまた異なる、絹の様にしなやかな倍音があります。アコースティックギターマガジン連載の試奏コーナーでは、有田純弘さんがこの倍音について「不思議成分」と評していました。特に開放弦でこの倍音が際立ってきます。
そして、音の立ち上がりが非常に速い(早い?)。アコギで一番速いのはMaton Guitarsの物だと思っていますが、それに次ぐぐらいのスピードがあると感じます。音色とも相まって、一音目で聴き手の耳をグッと引けるような存在感があります。
骨太のドレッドノートには劣るものの、ソロギターを行うには十分な音量と音の芯も備わっています。全ポジション・音域において音量のばらつきが少ないので、オールマイティに対応できるギターです。

そして演奏性。
杉田さんの楽器はとにかくネック周りのストレスの無さが卓越しています。
左手はポジション移動、セーハ、ストレッチ、ハイポジションと、あらゆる操作がスムーズ。
右手も全体的に心地良いテンション感があります。
前述の倍音と立ち上がりの速さにより、少し音が飽和しがちだな~というところが弱点なのですが、細かく消音してすっきりした演奏になるよう努める上で、この弾き易さにも助けられています。

この楽器との出会い

それまでは大学入学時に買ったMartinのエレアコ・OMCPA4を使っていました。

素直な音色の楽器で自分としては気に入っていたのですが、造りがエレアコのため、生鳴りはある程度抑えられていました。

初めてヌガーに出会ったのは、Martinを購入して1年経った頃、西村歩さんのライブのオープニングアクトで演奏していた矢後憲太さんが、当時ヌガーを弾いていました。イントロのアルペジオがすごく美しく響いていたのを覚えています。

同時期に、恵比寿のドルフィンギターズにヌガーが入荷。当時そこの教室に通っていた自分は「矢後さんの楽器だ!」と軽い気持ちでちょこっと弾かせて頂いたのですが…それだけでもう虜になりました。
しかし当時は「プロはこういうものを使うんだあ…」ぐらいの感想で、まさか自分がこういう楽器を、しかも買って1年のMartinを手放してまで、なんて発想には全く至りませんでした。 そのヌガーもすぐに売れてしまいましたが、当時の自分にとって「理想的なアコギの音」がこのとき強く植え付けられます。

その半年程のち、ある大阪のコンテストに参加した際にご一緒した方が大屋建さんのギターを使用しており、その違いに驚愕。
他の方からも自分の楽器について「これ弦死んでる?(当日の朝替えたばかり)」「君、たぶん楽器が限界だよ」という感じのお言葉を頂戴し…決してMartinが悪い楽器な訳では無いのですが、どちらかというと歌やバンドで真価を発揮するギターだったんだと思います。

演奏者としてもう一段上の段階に行くには、それなりの武器が必要だ!そう思わされた僕は次のアコギを探すことになるのですが、ヌガーの音で頭が固定されていた当時の僕。どの楽器を弾いても、中々心が揺さぶられません。
楽器店の在庫リストを見張り始めて2ヶ月程のち、この楽器が中古で入荷。即、電話でホールドして弾きに行き、やっぱりこれしかない!と思い、そのまま購入に至りました。

それから6年。このギターが無ければ今の自分はありません。これからも長く弾いていこうと思います。



現在のSUGI CRAFTとヌガーについて

現在、杉田さんはSUGITA KENJI Acoustic Guitarsとして、個人で彼の”Carrera”と”Dolphin”シリーズの製作を行っています。

お弟子さん方もそれぞれ独立しています。僕の知る限りでも、小林良輔さん、荻野裕嗣さん、藤井圭介さん…現在人気の製作家ばかりです。

そのため、ヌガーはもう新しいものは作られていない…かというとそうではなく、杉田さんによる製造工程監修の下、別の工房にて製作されています。オリジナルと細部で異なる点はあると思いますが、こうした意匠性と演奏性の高い楽器が作られ続けていることは嬉しいですね。
大阪・東京のドルフィンギターズや京都のワタナベ楽器に定期的に新作が入ってきていますので、見かけた方は一度試奏してみてください。

ここまでお読みいただきありがとうございました。
ブログって、こんな感じですかね?
次回はクラシックギターについて書いていきます。

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