アコースティックギタリスト 渡辺良介 Official Website
神奈川新人②コンテストに思うこと

神奈川新人②コンテストに思うこと

オーディションからひと月が経ちました。
協会ホームページから講評や会報が出ています。
前回書いてなかったことと、コンテストについて思うことを。

(コンクール、コンペティション等色々名前はありますが、ひとまず「コンテスト」で統一します)

前回の記事はこちら↓



母校のレジェンドとの出会い

この日2番目の点数で合格された渡邊泰敏さん。
還暦過ぎで既にお仕事も引退された方なのですが、実は母校・首都大(元都立大、もうすぐ再び都立大…)古典ギター部の大先輩。

僕もよく弾いていた部の備品ギターの寄贈者でもあり、こんなところでご本人とご一緒できるとは…とてもうれしい。

泰敏さんはこちらのHPでご自身の作編曲も数多く残しています(人気フリーゲーム「Ib」のBGMにも採用されています!)。
YASUpochi Guitar Diary
設立が2001年2月…Flash黄金時代じゃないですか。
この頃に立ち上げられたホームページで、これだけのコンテンツを持って今も尚更新され続けているって貴重じゃないですか?Yahooジオティーズも終了してますよ。

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「競技」に出ることの意義

神奈川の感想はそこそこに、コンテスト一般に関して感じたことを。

バリバリの演奏家志望、特にクラシックの世界では、受賞歴やら何やらが将来の為にある程度必要になると思います。
ですが、音楽は競争ではない。
アマチュアがこういう競技の場に出る意義は何か?

いろいろ考えましたが、「それが楽しいから」という理由で十分でした。
「競争、ガチ勢、厳しい⇔非競争、エンジョイ、楽しい」という対比構造で考えようとしたこともありましたが、僕の中では結局「どういう場であれ全力=楽しい」になりました。

クラシック畑のコンテストって堅苦しそうなイメージがありましたが、いざ自分が参加してみると、とにかく楽しい。
自分の出来がどうこうよりは、「この人の音楽良い!この曲初めて聞いたけど良い曲!このひと指はええええ!」と、他の方々の色々な音楽に触れられる楽しさが終始勝っていました。

コンテストに出ることで感じたメリット・デメリット

メリット

滅茶苦茶練習する

「絶対勝つ!」といった上昇志向でも、「ヤバイ…恥をかきたくない…」といった危機感でも、出るとなったら絶対に普段よりも練習します。

練習時間の確保に個人差はあっても、「まあテキトーで良いかあ」とずーっと寝て当日を待つことは中々しないでしょう。
途中まで音取ってやめてしまうなんてことは絶対にありませんし、通せるようになってからの詰めの作業も、普段なんとなく弾き飛ばしてしまうような箇所でも隅々まで詰めて練習するようになると思います。

その1曲の出来だけでなく、メカニカルな技術の向上、曲を仕上げるプロセスの改善、音楽に対する理解の深化…さまざまな点で実力がつくと思います

レパートリーが増える

課題曲が決まっていたり、新たに作編曲して臨むことで、曲のレパートリーが増えます。
しかも前述したようにかなり気合を入れて練習するので、こういう舞台で弾いた曲は簡単に忘れてしまうことがありません。
プログラムの十八番として、今まで自分が持っていなかった変化球として、試奏で困ったときのとっさの一曲として…自分を助けてくれる曲になると思います。

大きく、緊張感のある会場で弾ける

ホールって良いですよ!!!

アマチュアが100人単位のホールでたった1人でギターを弾く機会はそんなに多くはないと思いますので、これはうってつけの機会です。

お客さんの数も多いですし、その熱量も違います
発表会だと、客席が皆演奏者だったり、友人家族の演奏以外はサラッと流して観よう~という雰囲気にも遭遇しますが、
コンテストでは「さあコイツはどんなもんだ!?」という熱い視線が注がれます。
緊張も肌にビリビリと感じますが、終えた後の拍手の暖かさもひとしおです。

知り合いが増える

これが最大のメリットかもしれません。
ベラボーに上手い人、演奏スタイルが全く違う人、熟練のシニアやスーパージュニア等、いろいろな人が集まる楽しさは大きいです。
SNSでもつながることはできますが、同じ舞台に立つという時間はとても貴重な物だと思います。一方的に謎の連帯感を持ってます。

個人的に、今回は自分と割と歳の近い音大系の方々とお話しできたのが嬉しかったです。
皆さん本当に音楽に対して真摯な音の出し方をするというか、妥協無く仕上げてきている、という印象を抱く演奏が多かったです。今後もますます活躍してほしいと思わずにはいられない…

デメリット

時間が長い

コンテストはとにかく時間のかかるイベントです。
神奈川新人を例にとると、

  • 11:00集合、予選演奏順の抽選
  • 12:30予選開演(約5分×38名
  • 17:30本選開演(7名)
  • 20:00表彰式

とまあ、一日かけての長丁場です。ドアtoドアで2時間かかる会場だったのでもうヘロヘロ。
演奏順も当日のくじ引きで決まるコンテストが多く、 「10時に来て、出番5分間の為に16時まで待つ」なんてことも。
人によっては「演奏はしたけど表彰式には出れない」なんてこともあるかもしれません。

それなりに費用がかかる

概ね参加費は1万円。
会場となる大きなホールを1日借りるのには結構なお金がかかりますからね。
交通費もかかりますし、勝ち進むごとに参加料が増えていく物もあるので、立て続けにポンポン出るのは結構な負担になります。

とまあ…結構エネルギーのかかるイベントです。
ですが、かけたエネルギーに合っただけの充実した時間は過ごせると思います。

もっとアコースティックの舞台が増えてほしい

クラシックとアコースティックの違いに感じたこと

一応、ギター独奏においてアコースティック(FPD)とクラシック(神奈川)の両方のコンテストに出ました。
両方の領域に出ている人ってそんなに多くないと思いますので、自分なりに感じたことを書いておこうと思います。

両方に出てみて、一番大きく感じた違いはなんでしょうか?
審査形式?会場?賞品?技術レベル?

もっと単純な話。数です。

クラシックだと、
東京国際、日本ギター、スペイン、クラシカル、ギター音楽大賞、GLC、イーストエンド国際、バッハ国際、六本木国際、名古屋、九州、埼玉、神奈川新人、GFP、フォルマール、ジュニア、アマチュア、重奏etc…

で、アコースティックだと、
FPD(とその地方予選)、アコパラ等弾き語り系との異種格闘、Youtubeを使っての動画コンテスト

この差です。
圧倒的に数が違います。

「そんなに沢山あってどうするの?」
と思われるかもしれませんが、数が多いことはそれだけ多くの挑戦の機会を与え、それぞれに個性を生むこととなります。

「国際クラスで賞金もバリバリ出る~プロ志望がひしめき合う登竜門~アマチュア愛好家の腕試し」といった具合にレベル差が生まれ、幅広いプレイヤーに機会が与えられます。
年に複数回チャレンジすることができれば、それは短期的なモチベーションの維持にも寄与します。

内容についても、課題曲の有無、ジャンル(年代)指定、審査がブラインド形式、参加者全員への演奏アドバイスetc…
全く同じコンクールは無く、どのイベントにも特色が出ます。

もちろんすべてが万人に上手く働くわけではないので、不満や疑惑の判定が生まれることもあるでしょう。
ですが、イベントを行えば人が集まり、そこでの切磋琢磨により、技術の向上やいくつもの新曲、プレーヤー同士の交流が生まれることは確かです。

後に残る経歴とかは正直どうでもいいですが、こうして人が集まることによる化学反応がギター界・音楽界を発展させるのだと思います。

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自由に様々なイベントを

アコースティックの世界はクラシックや他の楽器に比べればまだまだ新興勢力ですが、アマチュアの方でもガンガン自作曲を作ったり、機材や奏法など自由な世界が広がっていることが魅力だと思います
こうした特色を生かして、何でも作っていけば良いのだと思います。

マイクか完全生音か、はたまた機材完全装備か?
音楽だけで判断するか、MCも含めたパフォーマンスを見るか?
オリジナルを作るか、課題曲を定めてアレンジするか?

やりようはいくらでもあると思います。
現行の舞台で特殊奏法が不利と取られているならば、逆にペッテリを招いてスラム奏法フェスティバルを開いてしまえば良いのです。自分はギター叩かないけど見には行きます。絶対に楽しい。

競争は音楽のゴールではありませんが、社会を盛り上げるためには良いことだと思います。発展を願って…

3件のコメント

  1. とても共感する記事でした。ライブで演奏する時とコンクールなどで演奏する時の心の持ちようの違いなども渡辺さんなりの考え方を知りたいなとも思いました。

    ひらた
    1. ひらたさん、コメントありがとうございます!
      そうですね、雰囲気の異なる舞台ですのでその辺りもまとまったら書いてみようと思います。

      Ryosuke Watanabe
  2. ピンバック: 神奈川ギターフェスティバル! | 6弦のこと.com

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