アコースティックギタリスト 渡辺良介 Official Website
ギターの湿度管理で痛い目にあった話

ギターの湿度管理で痛い目にあった話

雨が降り続いています。
気温がそんなに高くなくても、不快指数最大の日々が続きます。

自宅の湿度、雨続きで常時70~80%。
ただでさえ嫌な気分になるのに、ギターにおいても、今年の梅雨は「湿度変化の怖さ」ということを初めて痛感しました。



木は生きています

ギターの材料の木材です。木は伐り倒されて丸太や板になっても呼吸をしており、周囲が湿っていれば水分を吸い、乾いていれば水分を吐き出します。

無垢材(ベニヤ等ではなく、丸太から切り出した木材)を使用したハウスメーカーさんや家具屋さんは、この特性を「快適な調質作用」として売り文句の一つにしていますね。

ギターになってもこれは同様です。外部の湿度に合わせて呼吸しています。
そして、水分の含有率によって起きる微妙な伸び縮み。これがあれこれトラブルを起こします。
代表的な事例は乾燥。

  • 板が割れる。
  • 指板が縮み、フレットがその分飛び出る。
  • ブリッジ、力木が剥がれる。

こうなると、明らかなノイズが出たり、演奏に難が生じることになりますので、すぐにリペアが必要です。

…が、僕の場合、これまで特にそうした大きなトラブルが無かったので、あまり重要視していませんでした。
半分ぐらいの日はケースからも出しっぱなし。除湿・加湿器の類もありません。

人間、痛い目を見て「まさか自分が…」となって初めて気付くものです。

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人から明らかにわかる音質の低下

そして、来る今年の梅雨。
あろうことかコンクールの2日ほど前に、セルヒオのクラシックギターがピタッッッと鳴らなくなりました。
弦を替えても、とにかくギターの箱が動かない。

これはもしや…湿気…??

これが、自分しかわからないぐらいの変化ならまだいいんです。

が、わかる人にはわかってしまうようです。
コンクール直後にも、ある審査員の先生からお言葉を頂きました。

「使ってたのは新しい楽器?楽器が完全に付いて来れてなかったよ。あのタッチならこれぐらい出るだろうっていう所と実際の出音にかなり落差があってね、コンディションの問題もあるのかもしれないけど、そこが凄く残念!」

初対面で、しかも15分くらいの演奏でそこまで見透かされたことに驚きつつ、こうして湿度管理の大切さを思い知らされたのでした。

原因調査。環境の影響を受けやすい楽器

なぜ今年の梅雨に限って大ダメージを受けたのか?
管理の仕方が例年と大きく変わったわけでは全くないので、
それとは別に楽器の特徴として、

  • スペイン産である
  • 塗装が薄いセラックである
  • 作られてから日が浅い

ということがあると思います。

これまでのメインギターはスギクラフトもアストリアスも日本製、富山県と福岡県。
セルヒオはスペインのマドリッド。

それではここでスペインと日本の気候比較、ドン!

地形と海流が影響し合うスペインでは、地方によって大きく気候が異なる。
北から大きく3つに分けると、北部のカンタブリア海沿岸は雨が多く、夏は涼しく冬は温暖な海洋性気候。マドリッドを中心とした中央部は、昼夜で気温の差が大きく、夏は暑く冬は寒い大陸性気候。スペイン東部や南部などの地中海沿岸地域は、年間を通して温暖で乾燥した地中海性気候。旅行に適したシーズンは一般的には4~10月。夏(6~8月)は気温が40℃前後に上昇することもあるが、湿気が少ないので日陰に入ればしのぎやすい。基本的に日本のほぼ同時期と同じような服装でよい。

「地球の歩き方」より
地球の歩き方」より

こんなに環境変わったら、そりゃあストレス溜まりますよね。
日本の環境が海外生まれの新人をいじめています

塗装にしても、スギクラフトはラッカー、アストリアスに至っては横裏がポリウレタンですから、塗装の強度が大きく違います。

加えて、新しい楽器ですから変化も大きい。相当デリケートなものとして扱わないといけなかったようです。ごめんね…

今回は一旦ここまで。
今後いろいろ改善してみて、変化があったころに続きを書いていこうと思います。

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