クラシックギターのコンクールを観てきました。
海外勢も参加するようなコンクールを観戦するのは初めてです。

大曲揃いのハイレベルな戦い
二次予選は飛ばして本選から聴きました。
本選は「バロック期以外の作品とJ・S・バッハの作品を必ず含む15分以内の自由プログラム」というもの。
本選出場者(演奏順)はこちら。
- Chai CAU(中国)
- 曽根知輝
- 大蔵奏太朗
- Huang HanYuan(中国)
- 横村福音
- 仲山涼太
- Bianka Szalaty(ポーランド、提携コンクール優勝につき予選免除)
- 小林龍和
バッハの曲はもちろん難しいのですが、それ以外もアグアドやロドリーゴ、トゥリーナ等の難曲大曲がズラリ。
そして楽器やタッチの特徴が如実に出るようになり、“同じような人“が無くなります。
こうなると、審査員の方は大変だなと感じました。
曲はバッハ重視かそれ以外も平等か、明らかに楽器差から来る音量差はどうか、調弦等のステージ上での立ち振る舞いも差が見えてきます。
あとはミスの扱い。明確な表現の意思が感じられるがやらかしが目立った人、そつなくこなしたが今一つ消極的で出し惜しんでるように見えた人。
コンサートを聴きに行きたいのは間違いなく前者だが、この場限りの順位付けではどうか…?
自分がもし審査員だったら大いに悩みます。
順位を付けるにしても技術点・芸術点・減点で小分けしたり、個人個人へ審査に使った用紙を渡してフィードバックしたいなと思うところです。
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順位
自分なりの順位付けは、
- Bianka Szalaty
- 横村福音
- 仲山涼太
- Huang HanYuan
- 曽根知輝
- 大蔵奏太朗
- Chai CAU
- 小林龍和
で、結果がこちら。
- (同点2名)Bianka Szalatyと仲山涼太
- 横村福音
- Huang HanYuan
- Chai CAU
- 曽根知輝
- 小林龍和
- 大蔵奏太朗
(6と7の順位が公式ホームページでは逆の記載になっていますが、現場で聞いたのはこの結果です)
結果発表の最後の最後に唐突に1位が2名と発表されたので、少し驚き(というか受賞された方もキョトンとしていた感じ)ました。
Biankaさんはもう圧倒的なバカテク。
もーこの人トップだろおなか一杯!というところに更に難曲のエチュードを時間いっぱいに詰め込む辺り、全て計算してトップを獲りに・狩りに来ているような印象でした。会場もどよめき。
↓Biankaさん演奏曲
- 無伴奏ヴァイオリンソナタ第3番BWVよりラルゴ、アレグロアッサイ/バッハ
- 恋は魔術師より~恐怖の踊り、火祭りの踊り/ファリャ
- 12のエチュードより~第12番/ヴィラロボス
もう一人の仲山涼太さんは、精密な超絶技巧というよりは音の存在感やステージ上での雰囲気が凄くある方だと感じました。こういうタイプの違う方が2名トップに立ったという結果が印象的です。
↓仲山さん演奏曲
- リュート組曲第4番BWV1006aよりプレリュード/バッハ
- 序奏とロンド/アグアド
トップ以外の方も楽しめる演奏ばかりでした。観て良かった。
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10代パワーが凄いです
こういうレベルの高い方々だと、既にコンサートもバリバリこなすプロフェッショナルな方なんだろうなーと思って調べてみますと…
全員がそういう訳でもない。コンクールの結果ページ以外に検索結果が出てこない人も見られます。
驚いたのが、本選の日本人5名のうち3名が高校生。しかも早期教育を掲げる同一のギター教室の生徒さんだということ。
いわゆるコンクール勢という人々なんでしょう。演奏は笑える程に素晴らしかったし、淡々と弾くだけでなく、笑顔で堂々と振る舞える人がいたことも凄い。
こういう方々は今後もますます伸びていくんでしょう。
次聴く機会が楽しみです。