アコギをライブで使うとなると、いろいろ機材が要ります。
ピックアップ、プリアンプ、エフェクター…色々ありますが、それらを中継するケーブルでも音が大きく変わります。
こだわりの楽器と機材。それらをつなぐ要素を無視しない考えは無いですよね。今日はそんなケーブルについて、これまで試してきたものを書いていきます。ケーブル遍歴。
カナレ/L-4E6Sをまず買うこと。

入門機種といったらコレでしょうか。音響、放送様々な現場でのスタンダードとして採用されているメーカーで、「癖のないフラットな音」という定評があります。
最初にこういうノーマルなものを使って、他を試す際の基準としましょう。
初めて買ったケーブルはこのL-4E6S。3m切売りで買って、スイッチクラフトのプラグに1時間半かけてはんだ付けしました。不器用な思い出。
- 特定の帯域に偏らないフラットな音。
- 余分な味付けが無い一方で、パワーも無くて少し華奢な印象を抱く。
- 柔らかくて絡みにくい。
- 短いパッチケーブルで曲げても、長いケーブルで巻いてもしなやかに扱える。
パワーを求めてベルデン/8412へ。

ギターを始めたころ、とある有名なギター教室ウェブサイトで推していたのがこのベルデン。
カナレとはキャラクターが異なりブンブン言わせる音で、「ケーブルだけでこんなに違うんだ!」と気づかされました。
初めてケーブルを買って比較してみたい方は、カナレとベルデンの2本を比較してみると違いを実感できるでしょう。興味の入り口としておすすめです。
- 太くて豊かなサウンド。これを“豪華”か“エレキくさい”と感じるかは人次第。
- 手触りがざらざらして、硬くて曲がりにくい。
- シールドが編み込まれており、更にその上から紙で覆われている。堅牢という印象を抱かせるが、一方で作業時に解くのが面倒。
モガミ/2549の「こういうのでいいんだよ」感が素晴らしい。

長いこと、僕はこのモガミをメインケーブルとしています。
一言でいうと優等生。
カナレが癖のないフラットなサウンドというのはよく言われることですが、そこに強いて挙げるべきポイントであるパワー不足の問題点をこのモガミは押さえていると感じます。
それでいて安いし。
- こういうのでいいんだよ
- フラットなサウンドに、芯を少し太くした音の印象
- 細くもなく太くもなく、柔らかくもなく硬くもなく
Nazca/Hi-Fcケーブルは歌モノで強力な味方になりそう。

ギターケースでお世話になっているNAZCAブランドが展開するケーブル。
ソロギターにとって中音域が抜かれるのはマイナスで、ライブでの実戦デビューは無し…
ですがキャラが立っている音でまとまりはとても良いので、伴奏用のギターとしてならこのケーブルは優れた選択になると思います。
- デザイン◎。赤ビニールに黒のメッシュの被膜で高級感がある
- 全てのプラグにナスカのロゴ入り。ギターケースと統一感が出てうれしい
- ハイとローに極端な、いわゆるドンシャリサウンド。まとまった音を作るのに長けている
- 明確に弾き語り・バンド向けに作られている感じ
クロッツの圧倒的情報量。

ドイツのメーカーです。
他メーカーのケーブルに対して、クロッツのイメージは…
地引網。

音がきれいとかどこの部分が強調されるとかそういう次元ではなく、そもそも運んでくる音の粒の量が多い。それを引きずり出してくるイメージ。そして一音一音の活きが良いです。とても面白い製品!
- 「音質」ではなく、信号の量が多く感じられる臨場感。
- 野性的で少し荒々しく感じられることも
リスニング用のヘッドホンと同じ感覚で選ぶ。
現在は、ギター⇔プリアンプ間はクロッツ、他は全てモガミです。
クロッツでガッッッと音を取り出して、あとはモガミでクセを付けず運ぶ。
いろいろ選択肢がある中で、自分なりの着眼点は…リスニング用のヘッドホン・イヤホンを選ぶ好みと似ているなと感じました。
僕が普段リスニングに使うものは下記の2つ。
で、これらリスニング用のものを選ぶ際のポイントがこちら。
- 低音ごり押し系は×
- 細かい音の整形は不要、ハイレゾとかいらない
- 違和感なく、なんとなく良い音だなあくらいの豊かさ
自然に、楽に、豊かに。
この辺りが演奏時のケーブルを好むポイントにも通じるんだと思います。
ですので、こういう「選択肢が多くて何が正解かわからない」問題をどうにかしたいときは、自分の好きなもの・すでに使っているものの要素を当てはめていくと、納得のいく選択ができるのかと。
最後まで読んでいただきありがとうございます。