アコースティックギタリスト 渡辺良介 Official Website
修理・調整を誰に頼むか。かかりつけ医を作ろう

修理・調整を誰に頼むか。かかりつけ医を作ろう

3月です。2月の投稿が11件。
先月よりも多く投稿できるように頑張ります。

前回、ギターの調整について書きました。
ではこれを、誰に頼むかという話です。

「自分の楽器は自分でやるぜ!」という人、すごいです。
が、ここでは人にお願いする場合に絞ります。



誰に頼むか?

修理・調整をお願いするにしても、いろいろな選択肢がありますよね。

  • 楽器を買ったお店で、無料のアフターサービスを頼む
  • 普段レッスンに通っているお店のリペア担当に診てもらう
  • 内容によって、金額が一番安いお店に持ち込み
  • 修理・調整を専門に行う工房にメールで依頼して郵送
  • Etc…

どこを選べばいいのか?

最初のきっかけは様々だと思いますが、
重視すべきは、

できるだけ毎回同じ人に頼む
しっかり相談できる人を選ぶ

だと考えています。

僕の場合、ほとんどの調整・修理は全てドルフィンギターズ。

業界全体でみれば「アコギのお店」なのかもしれませんが、アコースティック・クラシック問いません。何でもOK…の筈です。
もちろん精度も速さも、スタッフの冗談もプロフェッショナル。

お店を一つにまとめて何度も通っていることのメリット…何といっても信頼です。
スタッフさんが自分の楽器や弾き方、好みのセッティングを覚えてくれます。

例えば、弦高を上げる場合。

初めて持って行ったギターでも、
軽く鳴らしただけで「あ、これ渡辺君には低いね」と判断してくれて、好みのセッティングに短期間で仕上げてくれます。

出来上がったギターを少し弾いて「もうちょっとだけ低くお願いします!」とお願いしたら、すぐその場で削って微調整。

「このギターは、弦高が低い」
「このギターは、あなたには弦高が低い」
こんな僅かな言葉の違いでも、安心感が違いますよね。

そのほかにも、
「フレットが摺り減ってきたかもしれません」という相談をしたら、
減る原因、摺合せと交換の効果の違い、耐用期間、メンテナンスすべきこと等…
多くのことを教えてくださった上で、取るべき選択肢を示してくれます。

「かかりつけ医」をつくる

こうした話、お医者さん選びにも似ていますよね。

施術の内容や手順を丁寧に説明してくださる方は、安心して治療をお願いできます。

長く通って話を重ねると、食生活や日常で気をつけるべきことについてアドバイスをくださることもありますし、
そうした丁寧な説明を普段聞いている人から頂く言葉は「腑に落ち」ます。

ギターについても、ギターの個体差、症状、弾く人のプレイスタイルや好み等、個人差にかかる部分が大きいです。
そのため、無料でメンテナンスできる機会があっても、毎回違う人にお願いするよりは、いつも相談できる「かかりつけ」の人がいることの方がメリットが大きいと感じます。

製作家本人による匠の技を体験する

個人製作家による手工品の場合は、そのギターを作った本人の工房に預けるという選択肢もあります。

スギクラフトのアコースティックギターで大きな修理が起きた時(フレットの全交換、ネックの破損)は、杉田健司さんにお店を通してor直接お願いしました。

折れた話については、またいつか。
苦い記憶…

本人に診て頂くメリットは、やはりその楽器を知り尽くしている点にあります。
基本構造はもちろんですが、他では代用が利かないパーツがあったり、唯一無二の技術が至る所に込められています。
「1から作り上げているのだから当然」なんて言葉で片付けられません。

時にはお願いした内容以外の「え、そんな所まで!?」という細かい点まで、芸術的な程に高い次元で生まれ変わってきます。正に、名工による匠の技と言えるでしょう。

ただし、人気の工房は常に年単位で製作の依頼を抱えています。修理・調整専門の人々に比べると、費やせる時間は限られるでしょう。
遠方で輸送に時間がかかることもあるので、時間と内容によって考える必要もありますね。



コミュニケーション。

調整について書いてきました。

大事なことは「相談できる人を作ること」だと考えています。

また、できるだけ自分の情報を出してあげることも大切ですね。

遠方で直接持ち込めない等の理由で、メールで見積りを依頼する際にも、
「マーチンの〇〇を使っています。今より弾きやすくしたいのですが」
では、その人にとっての弾きやすいとは何か判断できません。

  • 「2フレットにカポをするとノイズが出るようになりました。普段は弾き語りオンリーで、ローポジションのコードストロークが殆どです」
  • 「バンドのリードギターや、〇〇さんの叩き系ソロギターのコピーをします。ハイフレット中心にもう少し左手を押さえやすくしたいです」
  • 「とにかく速いフレーズを軽いタッチで楽に弾きたいです。参考に、私の演奏のYouTube動画を貼っておきます。改良の余地ありますかね?」

初めてお願いする人にも、こういった具合に情報を先に出して、事前に会話を重ねたいですね。
思ったのと違った結果になって追加工事やクレーム…ではお互い良いことはありませんから。

「楽器を良い状態に保つ」ということも、結局は人とのやりとり・コミュニケーションというところに落ち着くということでしょうか。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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